緊急提案(2019年7月14日付け)

「葉いもちから穂いもちへの移行・減収を何としてでも阻止する!」

1 現状

令和元年7月14日現在、日本各地、特に東北や関東方面での葉いもち発生の記事が目につくようになりました。
また、様々な冷害の再来の憶測記事も散見されます。
今年は、7月上旬までの相対湿度が低かったことから、いもち病の感染好適条件の出現日が少なかったようですが、ここに来て日照不足、気温、水稲の生育ステージ、土壌中のケイ酸含量が少なくなっていること(経営コスト増加による土づくり資材未施用圃場が増えた)、灌漑水中のケイ酸濃度が多分低い傾向(降雪量が少なく、山土からのケイ酸溶け出しが少ないであろうこと)などの諸条件が相まって、葉いもちの多発条件が揃ってきたと思われます。
また、水稲の草姿が直立ではなく(アップライトではない)、葉が垂れているため、葉が水滴で濡れやすい状態になっていることも多発を助長する条件になっていると推察します。

2 対策
当サイトとして、
2つの選択肢を提案します。

@薬剤を散布する。これはしかしながら、当該薬剤が入手できない、また降雨が続いて散布がやりにくいことが想定されます。

Aケイ酸質含資材を施用する。御周知のとおり、水稲含めイネ科植物はケイ化細胞を発達させることで様々な外的ストレス(いもち病菌含む)からの防御機能を備えているとされます。このケイ化細胞を少しでも発達させることが目的です。このことで、草姿を少しでも改善し、アップライト状へ持っていけるのではという期待も込めております。

3 ケイ酸質含資材施用のコストパフォーマンス
・穂いもち移行での減収率を10%(ここで仮に10アールあたり45キロ)と仮定
 玄米平均単価を60キロで13,500円とすると、225円/キロ×45キロ=10,125円となります。
 ケイ酸質含資材を施用することで、減収率を5%に留めたとすると、10,125÷2=5,062円が最大効果金額となると想定します。
 実際のケイ酸質含資材施用コストを算出すると、3,900円(例:20キロ袋の苦土入り重焼燐1号・副成したゲル状シリカを含む資材)を10アール当たり10キロ施用すると、1,950円プラス施用手間(動力散布機で施用する燃料、施用手間(人件費))を1,000円、で計2,950円となり、想定減収金額を上回ることができると考えます。様々な情報ではお薦め施用量は10アール当たり20〜40キロ、が標準的なようですが、コストを考慮し、最低限の10キロ施用と想定しました。

4 個人的なお薦め(1人の技術者として)資材
 苦土入り重焼燐1号
 理由ですが、保証成分に記載はありませんが副成産物のゲル状シリカ(ケイ酸を含む)こと、苦土(Mg)を含み、寡照下でも光合成能力を上げる(葉緑素への働き)ことが期待できると考えます。実際、この資材を施用することで葉がぶ厚くなって、実際圃場では色が濃くなった(光を反射するため)ように見えることがあります(実体験)。


 以上、何としても葉いもちから穂いもちへの移行を少なくし、減収を最小限に抑えるべく、農業者皆様の叡智を結集し早急に穂いもち移行阻止対策を講じていただくよう、切にお願い申し上げます。

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